僅かに一瞬。



王妃に戸惑いの目が浮かんだ。



それを知ってか知らずかジークは言葉を落としていく。





「貴方様も。本当はわかっておいででしょう?どうしてカイル様があの様な行動を取ったのか、どういう気持ちだったのか」



「…ジーク、やめて。…やめなさい、」



「確かに貴方様はリル様の母君です。子供を亡くした悲しみは強いものでしょう。ですが…」



「ジーク、お願いだから…」



「自殺を望んだリル様を手にかけたカイル様の悲しみも相当な物だとおわかりのハズでしょう?」