「ジーク…。何故よりにもよってこのタイミングで出てくるのだ」



「早くカイル様にお会いしたいと思いまして」



「術の事など話す必要なかろう。人間をシャボンの国の者に変える事も結婚する事も前代未聞なのだぞ」



「ですがカイル様の話は筋が通っておりましたし。国王様とて、カイル様を次期国王にしたいと申しておりました。でしたら、お互い納得される方法と致しましては私の申し上げた方法が一番かと思いますが」






後から出てきた割には国王を圧倒している彼。



花音はどこかひやひやとしながらもその光景を眺めていた。



再び大きく溜息を吐いた国王に握られた左手に僅かに力がこめられた事を感じる。






「…わかった。認めよう」





その言葉は、半ば諦めにも近いもの。



だけれど、カイルと花音の未来を決定づけるもの。