「ジーク。…久しぶりだな」



隣でカイルがそう言葉を落としたのが耳に届き、その表情を見ればどこかホっとした様な顔をしていると気付く。




「えぇ、本当に。人間界を彷徨っているのではと心配しておりました」




この人がカイルに修行をした人だろうか、と花音は思う。



さりげない会話の中に見え隠れするのは紛れも無い信頼関係。




「それより、今の話は本当か?花音をシャボンの国の者に変えてしまう術があるのか?」



「多大な魔力を要します…が、カイル様の魔力があれば可能でしょう。それに、貴方様はあの頃とは違い、今はその魔力をコントロール出来る。問題無いかとは思いますが。ですよね?国王様」




視線を向ければ国王が大きく溜息を吐いたのが見えた。