その言葉に僅かに国王の目が見開かれた。



「…結婚すると言っても彼女は人間だろう?」



「ですが、彼女の願い事は「俺がこの国に戻り婚約者と幸せになる事」。そして俺と彼女は婚約関係を結んでいます」




花音の願い事を認めさせる為に、花音の願い事に含まれる「婚約者」を花音自身にしてしまえばいい。



ここに辿り着くまでにカイルが考えた方法はそれだった。



半ばこじつけだが、筋は通っているハズだ。



そしてカイルは言葉を落としていく。





「彼女と婚約関係を結んだ事で、彼女も一緒にここへ戻ってきた。彼女の願い事が認められたと考えてはいけませんか?」





カイルの言葉に国王は難しそうな顔をする。



カイルに願い事を叶えなければいけないと術をかけたのは国王自身。



だから花音の願い事を無効にする力ももちろん国王は持っている。



だからこそ認めさせなければならなかった。