城に着き、カイルが花音を地面へと下ろせば、花音は城を見上げたまま固まってしまった。



その城の外観は白を貴重とした洋館の様で、だが窓や塀の役目をする物全てがシャボン玉で出来ている。



あまりに現実離れした景色。



それでも、壁の役目をするシャボン玉に触れればしっかりとした固さが伝わってくるのだから、現実なのだと受け入れるしかない。




「準備いいか?」




その言葉に見上げればカイルがどこか難しい顔をしていると気付く。




先ほどの話を聞いた限り、カイルはこの国で罪人となっているのだから、それも仕方のない事なのかもしれない。



ゆっくりと花音が頷いたのを確認すれば、カイルが厳重に出来たシャボンの扉を開いた。