「お譲ちゃん。それはね、魔法のシャボン玉なんだ」




「…魔法?」




「そう。吹くと欲しい物が何でも手に入るのさ」




その言葉に途端少女の目はキラキラと輝き始める。




「本当に?何でも?チョコもクッキーもたぁーくさん?」




「あぁ、本当だよ。だけどね、それが使えるのは1回切りだから、お譲ちゃんが本当に欲しい物が見つかった時まで大事に取っておくといいよ」




「うん、わかった!おばーちゃん、ありがとう!」





嬉しさから少女は駄菓子屋を走り出て家へと急いだ。




そこに絶望が待っているとも知らずに。










もう、15年も前の話。