唇が離れ、それでもお互いを抱きしめ合ったままどれ程の時間が過ぎたのだろう。



ただ、二人にはそれが長く、果てしない時間だとすら思えていた。



それは願望故だったのかもしれないが。






「…城。行ってみるか」






切り出したのはカイルの方。



それに頷き、ゆっくりと立ち上がればカイルが花音を横抱きにしてフワリと浮かんだ。






「飛ばすから。しっかり掴まってろよ」





高鳴る心臓を押さえ、花音はその首元に手を回したのだった。