「カイル」



しっかりと目線を合わせて名前を呼んだ。



その目は驚きで少し開かれていて。



なのに、それでもカイルは美しい。





「結婚しよう」





さして結婚などこれまでに考えた事もなかった花音がプロポーズするなんて、きっと花音自身が一番驚いているだろう。



だが、その目には決して迷いなど現れてはいなかった。




「…いいのか?」



「うん。私もう、一人にはなりたくないし。カイルだって私と居ればきっと淋しくないよ」