「…嬉しかったんだ、凄く。中々願い事しない事も、馬鹿な事で喧嘩出来るのも。誰かと会話出来る事が堪んなく嬉しくて。…けど、花音が風邪引いた時にまた死ぬんじゃないかって怖くなった。好きだって…そん時に気付いたんだ」




その言葉に素直に喜べないのは、きっと未だにその表情が曇ったままだからだろうか。




「本当…最悪だよな、俺。リルはもう…誰かを好きになる事も、誰かと会話する事も出来ねぇのに。なのに俺はリルを殺したクセに孤独に怯えて花音を好きになってる」





気付けばその体を強く抱きしめていた。




「…っ、私は!…カイルが…私を好きになってくれてよかった…!」




自然と大きくなる声を気にもせず、花音は言葉を落としていく。




「孤独が…怖くない人なんて居ない…!私だって本当はずっと淋しくて…怖くて…!けど、カイルが傍に居てくれたから…!だから…もう淋しくないんだって思えたんだよ…!」