「…俺さぁ、」




未だ晴れる事のないその表情。



そんな顔を見たいわけじゃない、と思うのに。



花音にはどうする事も出来ない。




「きっと歪んでんだよ。時空の闇に落ちたって構わないなんて思ってたのに。なのに、人間界に行って容器の中にずっと一人で。外に出ても一瞬で願い事叶えてまた戻って。いつからか、それがすっげぇ淋しく感じるようになってた」



「…カイル、」



「…っ、孤独なんて…別に怖くも何ともないって…そう思ってたのに…。一瞬で願い事決める人間に心底ムカついたりしてさ。…本当。自分勝手にも程があるよな、」




未だ頭に置いたままの手にカイルの手が触れて。



僅かに花音の手に力がこもった。