カイルが全てを話し終えた頃、花音の目には涙が浮かんでいた。
「…リルを殺した事。正しかったのか間違ってたのか今でもわからねぇ。一万回願いを叶えられずに人間界を彷徨ってればきっと間違いだったって思えたと思う。けど…結局俺はここに戻ってきてる」
そう項垂れるカイルに手を伸ばさずにはいられなかった。
触れなければカイルがどこか遠い場所にでも行ってしまうように思えて。
そっと触れた髪はあまりに細くて滑らかなもの。
すっと指を通り抜けていく感触を覚えながら花音は言葉を落とす。
「…きっと。間違ってなかったよ、」
視線を上げたカイルと目が合って。
僅かに胸が痛んだのはカイルの目に薄く涙が浮かんでいたから。
「…リルを殺した事。正しかったのか間違ってたのか今でもわからねぇ。一万回願いを叶えられずに人間界を彷徨ってればきっと間違いだったって思えたと思う。けど…結局俺はここに戻ってきてる」
そう項垂れるカイルに手を伸ばさずにはいられなかった。
触れなければカイルがどこか遠い場所にでも行ってしまうように思えて。
そっと触れた髪はあまりに細くて滑らかなもの。
すっと指を通り抜けていく感触を覚えながら花音は言葉を落とす。
「…きっと。間違ってなかったよ、」
視線を上げたカイルと目が合って。
僅かに胸が痛んだのはカイルの目に薄く涙が浮かんでいたから。