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あれから。



カイルは自分がどの様にしてこの部屋に連れてこられたのかを思い出す事が出来ずにいた。



ただ、目の前には今にも襲ってきそうな目で自分を睨む王妃と、その隣には複雑な表情で自分を見やる父の姿。




「…っ、貴方はリルの存在が邪魔だったんでしょう?!口では王位に興味が無いなんて言っておきながら、本当はリルに嫉妬してた!そうでしょう?!」



「…やめなさい、」



「黙って!カイルはリルを殺したのよ?!今すぐにでも時空の闇へ葬るべきだわ!」






カイルの犯した問題は、簡単な事では済まなくなってしまっていた。