「……っ、ふっ…、ひっく…、ぅ…!」





確かにそこにリルの温もりが残っているのに。



その体はすでに消えてしまっている。



頭に残るのはやっぱりリルの笑顔ばかりで。





俺は間違っていたのだろうか。



死ぬとわかっていてもリルを殺すべきではなかったのだろうか。



あの笑顔を消してしまったのは間違いなく俺だ。






一体、どうする事が正しかったといえるのだろう。






リルの居なくなった部屋でひたすらに涙を零して、それでもその疑問の答えが見つかる事は無くて。



どれ程の時間、そうしていたのだろうか。



扉をノックする音が聞こえて、視線を向ければそこには王妃が立っているのが目に映った。