手の平から発せられる光をリルの額へと当てる。



ゆっくりとリルの体が白銀の光に包まれていくのを涙をこらえて眺めていた。




「…兄上。僕ね、兄上の弟でよかったって凄く思ってるんだ」



「…リル、」



「だから。お願いだからそんな泣きそうな顔しないで?…僕、またすぐに兄上に会えるんでしょう?」



「…っ、そう、だな…、すぐに会える…。だから…その時までさよならだ…」





微笑んだリルの目から涙が一筋流れるのが見えて。



きっとリルは嘘に気付いているのだとカイルにはわかってしまう。



気付いてる上で、そんな優しい言葉をかけたのだと。






「リル…!俺、お前の兄貴になれて本当に幸せだった…。お前は俺の誇りだよ、」






何とか笑顔を作ってそう言葉をかければ、最後にリルの笑顔が見えて。



リルの体を覆っていた光が一段と輝きを増した。



そしてそれが消える頃。



リルの体も一緒に消えてしまっていた。