誰かの命を奪う術は禁忌とされている。



それを使えば一生時空の闇に葬られるだろう。



リルを助ける為に受けた修行。



皮肉にもその修行を受けてしまった事でその術が使えるようになってしまった自分はあまりにも滑稽に思える。





手の平に意識を集中すれば次第に集まる白銀の光。




「…僕、兄上と一緒に空を飛んでみたかったな」




そんな言葉を漏らすリルにまた涙が零れ落ちそうになって。



だけど必死にそれをこらえて。