コクリ、と頷いたリルはやはり笑っていて。



躊躇いがちにそのオレンジの髪へと手を伸ばした。





「…兄上。ごめんね、」




困った様に微笑んだリルの髪をグシャっと撫でて、自分の涙を拭う。




「…謝んなよ」



「うん…。でもごめん。こんな事頼めるの兄上しかいなかったから…」




こんな風に頼りにされたって嬉しいハズなんてない。



だけど笑わなければいけない様な気がした。



こんな時でもリルは笑っているから。