事実を口にしてもその笑顔が崩れる事は無い。



「やっぱりそっか」と言いながらこちらを見るリルにカイルはどう仕様もなく、無力感を覚えてしまう。




「…僕が死ぬのは魔力が無いから?」



「…違う。…不治の、病、だって…」




真実など口にしてどうなるといえるのか。



ただリルの不安を煽るだけじゃないか。



なのに、どうしてか、リルの質問に真摯に答えなければいけない様な気がしてしまって。



気が付けば、そんな言葉を口走っていた。




「不治の病かぁ…。ねぇ、兄上。お願いがあるんだ」