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あれから3週間が過ぎた。



カイルは未だに毎日リルに魔力を与えている。



不治の病はどうにもならないとしたって。



風邪や肺炎は魔力を与えればまだ回復の兆しが見えるハズ。



そう信じて今日もリルの元をそっと訪れた。





手の平に集中していく白銀の光を見つめ、そっとリルの額に寄せようとした時。





「…兄上、」




その目がこちらを見て、思わず手を引っ込めた。