「…不治の病は。カイル様の母君も患われていたもの。例えカイル様が魔力を与え続けたとしてもどうにかなるものではございません、」




母の名前が浮かび上がってカイルの頭にその顔がよぎる。




そしてすぐ傍でガタン、と音が聞こえ、視線を向ければ父が地面に膝をつくようにして蹲っていた。




「……ローザと、同じ病気…?」




その顔は蒼白で、カイルは思わず息を飲んでしまう。



それでも何とか言葉にして落としたのだ。




「…父上。母上と同じ病気って…?本当に魔力でどうにもならないの…?」




全て嘘であって欲しい。



医師の言葉も父の態度も。



希望を見出せる何かが欲しくて欲しくて。



だけど返ってくるのはどう仕様も無い事実のみ。