その言葉を耳にした瞬間、カイルより先に声を出したのは王妃だった。



「…っ、そんなの…!そんなの嘘よ!あの子が…リルが魔力がないなんてそんな事あるわけがない!」




取り乱して泣き崩れて。



その姿がいつかの自分の姿。



母を失った時の自分に重なって見えた。





「…魔力が無い、というのは。つまりどうなるんだね?」




神妙な面持ちで父が医師に訊ねる。



一番冷静な様に見えるが、その手が僅かに震えていた。