それからすぐに新たな王妃に妊娠が発覚した。



自分に弟か妹が出来るとわかってもカイルの心は未だ虚無感に満たされたまま。



それでも時間が過ぎていけばやがて王妃の体内から赤ん坊が生まれてくる日がやってくる。





「カイル。お前も来なさい」





父にそう言われ、ある部屋の扉の前に立てば中からは母の苦しむ声が聞こえてきた。



それを耳にして、カイルと父は無言で立ち尽くす。



沈黙を破ったのはカイルだった。






「…母上も。俺を生む時苦しそうだった?」





カイルの言葉を耳にして父は少し考えた後に言葉を落とした。