ついつい漏れた心の声。



それに反応したのは男だった。




「…っ、そなた!失礼であるぞ!我を誰だと思うておる!」



「え…、あ…、すみません、わかりません。どなたですか?」




こちらとしても、それを聞きたくて仕方無かったところなのだ。



男が赤面してるのは予想外にしろ、それを訊ねるタイミングが出来たのなら丁度良い。



そして花音は思ってもみなかった言葉を耳にする。





「我はシャボン国皇子。カイルと申す。そなたの願いを一つ、叶えてやろう」



「…シャボン、国?…皇子?」



「いかにも」



「願い事、叶えてくれるの…?」



「…?その為に我を呼び出したのであろう?」