「生まれ持った魔力に頼るばかりでそれを伸ばす努力をなさらない。いつだってご両親の加護に甘えてばかりで自らが誰かを守ろうとはされない。そんな貴方のどこに頼り甲斐があると言えるのですか」



従人の言葉は最もな意見。



きっと以前のカイルなら腹を立て、王族に相応しいとは言えない言葉でまくしたてたのかもしれなかった。



そう、以前のカイルなら。






「…そう、」





ポツリと呟いた言葉は従人の耳にも届く。




「…いつまで。こんな生活を続けられるおつもりですか」



「…知らね。別にもう、どーでもいいよ。どうせ俺は他よりも強い魔力を持って生まれただけだし?婚約者とやらも居るみたいだし?そのうち適当に父上の跡継げんじゃね?」