母が死んでしまってから。



カイルは毎日を無駄に過ごしていた。



何もする気が起きない。



誰かと話をする気にもなれない。



食事や睡眠は元々摂る必要も無いので、ずっと何もしないままに時を過ごしている。



そんな時、カイルに縁談の話が持ち上がった。



それはこの先何年もしてから、つまり父が王位を下がった時の話になるのだが。



カイルの居る、このシャボンの国では王族は親戚同士での結婚が昔からの習わしとなっている。



それは王族直系の血筋を絶やさない為で、カイルの両親もそうだった。