***




―コンコン




夜、部屋の扉をノックする音が聞こえて金髪の女性はクスリ、と笑みを零してから扉に向けて声をかけた。





「どうぞ?」




ガチャリ、と扉を開けたのは白銀の髪を靡かせた少年。




「母上、一緒に寝ていい?」



「まったく。いつまでたっても甘えん坊なのね」




そう言葉を落とす母の態度があまりに優しくて少年―――、カイルは近いその距離を浮かび上がって母のもとに近寄った。




ギュっと抱きつけば優しく抱きしめてくれる。




魔力の強いカイルはすでに睡眠や食事の必要は無かったものの、母とこうして過ごす時間が好きで共に食事を取り、夜は一緒に眠っていた。