数年後。



カイル、と名付けられたあの日生まれた少年は今や立派な次期国王……ではなく。






「カイル様!お待ちになって下さい!」



「やーだね!捕まえられるもんなら捕まえてみろってんだ!」



「なっ…!カイル様!おい、お前達!早くカイル様を捕まえるんだ!」






その魔力の強さ故、堂々と修行を怠る悪ガキへと成長していた。



それでもカイルの凄いところは修行を行わなくとも大抵の事が出来てしまうところだろう。



カイルの自分の魔力をコントロールする技術は努力で身につけた物ではなく、生まれ持った感性と本能で身につけた物だった。