「あ、もう着いたな。糸浦んち近いな。」 あたしの家は学校から徒歩10分程度の所にある。 「そうだね。」 「もっと、遠くだったらもっと、一緒にいれたのに。」 そう言って、にこっと笑った。 きゅん。 「えと……じゃあ、明日ね?荷物ありがとう。」 兼田くんから荷物をもらい、あたしが家の門を開けて入ろうとした。 「うん。糸浦こっち向いて。」 「ん?」