お昼休みいつものように、さくらさんと一緒。
「今日の永森さん、めちゃくちゃニコニコしてたね☆」
「そうですか?」
心では、〔そうかも〕と思いながらも〔そうですね〕とは言えない。
「で、どこに行くの?」
「どこでしょう?」
「意地悪してる?」
さくらさんが前のめりになってきた。
「してませんよ!」
慌てて否定する。
「本当に、どこか分からないんです。」
「そうなんだぁ・・・」
さくらさんが残念そうに言う。
「でも、永森さんのことだからリッチなホテルのスイートか高級旅館だな!」
「そうなんですかね・・・」
「もしかしたらプライベートジェットで南の島だったりして!」
「えっ?それはないでしょう!」
だんだん話は膨らむ。
「いいなぁー」
さくらさんの目が宙を舞い、意識が空想の世界に行っているようだ。