HR終了後、私のテンションは限りなく底辺に近かった。

「はぁ…」

休憩のチャイムが鳴ったと同時に溢れるため息。

今日で何度目か。

「あ、そういえば沙希ちゃんはどうしてるかな?」

気になって私はA組に足を運んだ。
A組まで小走りで走り、教室の中を覗く。

「沙希ちゃー…」

そこまで言って私は名前を呼ぶのをやめた。

沙希ちゃんの周りにはたくさんの女子でいっぱいだった。

沙希ちゃんは明るい。
ノリも良くって面白い。

そんな沙希ちゃんの周りがすごく楽しそうに見えた。
もちろん、沙希ちゃんだって……。

「あ、シロ!!」

教室の外にいる私の存在に気付き沙希ちゃんがこちらを見た。

ダメだ。
せっかく新しいクラスの友達ができた沙希ちゃんの邪魔はできない。

「どうしたの、シロ?」
「ううん、何でもないよ!ちょっと見に来ただけ!」
沙希ちゃんにそう言って私は教室に戻った。

これからはあんまり沙希ちゃんの所に行くのはやめておこう。。。

「あ、城田さん!」

教室に戻ると待っていたとばかりに名前を呼ばれた。

私をクラス委員に推薦したあの子だ!

「城田さん探してたの!クラス委員引き受けてくれて本当にありがとう!」

両手を握られブンブン振り回された。

「私、竹内美琴!ミコトって呼んでね!…って、あれ?城田さん?」

竹内さん…いや、美琴ちゃんが気付いた時には腕と一緒に頭も激しく揺れてた私は目から星が飛び出していた。

び…びっくりした。

一瞬驚いた顔をしたけどそんな私を見て彼女はケタケタ笑いながら謝る。

「あはは!!ごめん城田さん!!」

何だかサッパリとした感じが沙希ちゃんと良く似てるなー。