私は吹雪の中、一人で帰宅するしかなかった。

 かなしいバレンタインの記憶・・・。



休日がホワイトデーだったため、今日、お返しをもらった私・・・。

 やっぱり、気持ちが届いていなかったことを再確認。

 遼くんみたいなタイプは・・・言葉でいわないとわかってくれないんだ、それも、再確認。



 遼くんと別れて、教室に戻った私。

 大きな紙袋をちらちらみながら、ささやく女の子のグループ多数。



 いやになる。



 こそこそ悪口いわないで、どうどうといえばいいじゃない。

 そしたら、きっぱりと言い返してやるから。

 男兄弟、父子家庭で育った私。

 そういう、女の子行動が理解できない。



 いらいらする。



 それでも、周りに合わせようと努力すればいいんだろうけど、それをしない私は、女子からはかなり嫌われている。

 昔は変えようと努力したこともあるが、それも無駄な努力に終わった。

 育った環境と性格から培ったものは、そう簡単には変われない。



「うわ、すごい、有里」



 いいながら、人の紙袋を覗き込む男。

 

「これだけの数の男心、もてあそんじゃだめだよ」