やっぱり。

 気がついたことは、ただひとつ。

 遼くんが、幼なじみの山本芽生がすきなのだということ。



 自然に、手をつないでいた二人・・・。



「唐突にどうしたわけ?」

「ううん、なんとなくね」

「ふ~ん」



 並んで歩きながら、遼くんは時折、空を仰いだ。

 何かを探すように。



 彼女は飛行機で行くほど、遠くへいってしまったのかなと・・・ふいに思った。



 なぜだか、切なかった・・・。


 遼くんの一番近くにいた幼なじみの彼女がいなくなって、いやな女の私だったら、喜んでもいいはずなのに・・・切なかったんだ。