「さ、行くよ。」 あたしの心配もつかの間、翔くんはあたしの手を取り、エレベーターから降りた。 駐輪場に向かう翔くんの少し後ろを歩く。 「ねぇ…」 「ほんとに俺怒ってないよ。」 …何で分かったの? 「さっきはあんな口調でごめんな。ちょっとやばくて…」 「……何が?」 自転車の鍵を外している翔くんに問いかける。