「ひょっとして俺に言えなかった?」
「言えなかったというか、あたしが先生に決めて良いって言ったし…」
「そっか、ごめんな。」
違う。
全部悪いのはあたし。
先生が謝ることじゃないのに…
あたしの心はどんどん沈んでいく。
「そんな辛気臭い顔するなよ。」
先生は少し困ったような表情であたしの顔を覗き込む。
「…すいません。」
「俺十分楽しんでるから、あっすーは何も気にすんな。それよりさ…」
「……?」
あたしは少し顔をあげた。
「明らか俺ら喧嘩したみたいになってんじゃん!」
周りを見ると、カップルたちがチラ見をして通り過ぎていく。
しかも可哀想というような視線をあたしに送りながら…