「ほんとにカップル多いな。」
「ですよね。」
まだ家族連れは見かけていない。
辺りを見渡しても、いるのはいちゃついたカップルばかり。
「俺たちも手繋いじゃう?」
先生からサラッと出た提案をあたしは聞き流したけど…
……はいっ!?
手…を…繋ぐ……?
あたしの顔がだんだん熱くなる。
そして心臓も活発に動き始める。
「なんつーの?周りみんな繋いでるからさ、一応俺たちも格好だけ…的な?」
理由はどうであれ、先生と手を繋ぐなんてやばい嬉しい!
「……嫌か?」
「あ、いえ…」
なかなか声にならなくて、あたしは必死に首を横に振った。