ルカ様がテーブルから立ちあがり言った。
私はルカ様の椅子を軽く後ろに引きながら
「今ですか?」
眉を寄せた。
「今、夕食を済ませたばかりではないですか」
私が言うと、ルカ様はギロリと鋭い目で私を睨んできた。
「今と言ったら今だ」
誰か、この我がまま王子の暴走を止めてください。
もう、私では手に負えません。
「ルカっ!!
おまえ、また逃げるつもりだろ!!」
すかさず、サラ様が、ルカ様の襟首をつかんだ。
グイっと後ろにのけ反る、ルカ様の体。
「離せ」
「誰が離すか!!
おまえ、早々とお茶を飲んで一日を終わらせるつもりだな?」
「貴様には関係ないだろ」
「なぁにぃ!?
私はおまえの仕事が終わるまで大人しく待ってたんだからなっ!!
今日という今日はみっちり鍛えてやる」