みんなの言葉に、私の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
フッ…我ながら泣きす…――――――――――。
「泣きすぎだし…おまえ、涙でマスカラ落ちて超ブサイク‼」
私が考えていたことをそのまま口にする人間。
そんなデリカシーの無い人間は、私の知っている中でただ1人――――――――。

真っ黒な服――――――――。

真っ黒な髪――――――――。

真っ黒な瞳――――――――。

真っ黒な羽――――――――。

真っ黒なしっぽ―――――。

そう、その人間は―――――――――。

「エリオ‼」
そう、そのエリオの言葉に怒ったジュリアが立ち上がり、エリオを思い切り睨んでいる。
まったく…。
この感動の空気をどうして読めないかな?
「ま、まぁまぁ…ケーキ!ケーキ食おうぜ!」
あせったエリオがジュリアをなだめる。
「ったく…」
みんな席に着き、1人1人お皿に乗ったケーキが配られる。
「わっおいしぃ~♪」
思わず口を押さえて喜ぶ。
「マジ?やったね☆」
「あ、ほんとだ☆おいしぃ~♪」
「マジうめぇ‼何だこれ!?」
「ウマっ」
やっぱ、食べ物の力ってすごーい‼
みんな笑顔になっちゃんだもん。

「ねっ、杏ちゃん…だよね?」