頭を撫でられた日から数日たった今日…


私はある先輩に呼び出された。



「なに?あの先輩。知り合い?」

香織が興味津々で聞いてくる。

「さぁ…2年かな?誰だろ…」


私は首を傾げながらその人の方へ行った。


「なんですか?」


私が聞くと彼女は少しびくっとした。


「あ…あの…」


か細い声で聞こえるのがやっとだった。


『ほらっ!言いなよ!』


後ろの方から何か声がした。

少し離れた所に3人の2年がこっちを覗いきながら何か言っていた。


それを見た彼女は少し頷いて私を見た。


「あのっ!田村君とはどういう関係なんですか?」


さっきとは違ってはっきりとした口調になっていた。


「はっ?」


「あっ…私2年の早川愛といいます…で、どういう関係ですか?」

早川愛という先輩は私を食い入るように見つめている。


「どうって…何がですか?」


「何がじゃないですっ!私見たんです。田村君がサッカーをした後あなたの頭を撫でていたのを…」


「!…」


見られてたんだ…


あの時は頭が真っ白になって人目を気にする暇もなかったからな…


「あれは…なんというか…上手く説明出来ないんですけど…別にあなたが思ってるような関係じゃありません…」


私がそう言うと早川さんは、ぱっと笑顔になって私には礼をすると、さっきの3人の所へ戻って行った。妙に丁寧な先輩だった…

私はため息をつきながら教室に入った。