田村君が保健室を出たあと香織は私に荷物をわたした。


「はい。帰るよ」


「ねぇ。誰が保健室まで運んでくれたの?」


「あぁ。田村君だよ」


えっ!!


「結衣が倒れたあと田村君がすぐに来て結衣を運んだの。あの時は女子全員羨ましそーに見てたよ〜」


香織が細い目をして言った。


「あんた感謝しなさいよ〜ずっと結衣が気がつくまでいてくれたんだから。お礼したほうがいいかと思う」


私はその言葉を聞くと保健室を出た。


まだ顔が少し痛かったけど田村君を探した。


私は靴箱に行くと、ちょうど靴を履いていた。


私に気がつく手を止めた。

「どした?」


私はドキドキしながら側に行った。


「ありがと…ずっと見てくれてて」


田村君は少し驚いていた。


また何か言われるかと思った。


すると田村君は優しい顔になって、


私の頭を撫でた。


「えっ…」


私はドキッとしてしまった。


「ごめんな。痛かったか?」


「な、なんで優しくするの…」


「バーカ」

そう言って軽く額を叩いた。


そして帰って行った。


もしかして夢の中で頭を撫でられたの田村君…?


私は頭をさすった。

まだ撫でられた感覚が残っていた。


ヤバイ…かも…