運動場には沢山の人だかりが出来ていた。


私達はその中に入り、ずんずんと前に進んで行った。


歓声があちこちから聞こえる。


「サッカー部ってこんなに人気あった？」


私は前に進みながら香織に話しかけた。


「バカ。田村君がいるからでしょ」


「なんでこんなに集まってんの？３年ならまだしも１年までいるじゃん」


「結構ウワサになってるみたいだね〜田村君のこと。まぁ、あれだけかっこよかったら理解出来るけど」


そんなことを話しながらやっと運動場が見渡せる場所まで来た。


サッカー部がユニフォームを着て走り回ってるいる中で一人制服を着て走っている人がいた。


田村君がボールを蹴ってゴールに向かっているところだった。


サッカー部が田村君に追い付こうとしているが足が速く追い付いていない。


「何あれ…サッカー部全然ダメじゃん」


香織が文句を言っていた。

「でも３年何人か受験で引退したから全員後輩なわけでしょ？」


「そうだけど今田村君追ってる人って、エースだよ？すごいね…」


もうすぐ…もうすぐゴール！！


みんな息を殺して見つめていた。


田村君がボールを蹴った！


ボールはそのままゴールしていくと思ったら…


ボールは私達の方へと飛んできた。


みんな悲鳴をあげながら散らばっていた。


でも私は動けなかった。

「どーしよ…」


「結衣！危ない！」


ボールはそのまま勢いをだして私の目の前に飛んできた。


バンッ！


「イタッ」


ボールはそのまま顔面に直撃…


「結衣！！」

「大丈夫？」

「しっかりして！」


いろんな人の声がしたけど私の意識はそのまま暗闇の中…〜