目を閉じて思う。

どうして田村君は生徒会室のドアを開けたの?


どうして私を追って来たの?


どうしてあんなに切なそうな顔をするの?



……彼女がいるのに……



私の中で勝手に彼女と思い込んでいるのかもしれない。

きっと彼女なんだ…


そしてゆっくりと目を開けた。


暗闇だった…


横になって寝ようとしても眠れない。


いつまでも、あの光景と切なそうな田村君の顔が頭の中を支配した。


何度も寝返りをうつ。


眠れそうもないのに目を閉じて、考える。


そして、ふと思い出す。
白石先輩の温かさを…



なんだか眠れそうな気がした。


私は無理矢理、田村君の姿を消した。