気付いたら私は生徒会室の前に立っていた。


そして、そっとドアノブに手をかけた。


ドアを開けると眩しい光が私の顔を照らした。


中にいたのは…


「香織…ちゃん…?」


白石先輩がずぶ濡れになった私を見てビックリしていた。


でも何も聞かず、先輩は立ち上がり私の手を引っ張ると生徒会室の中にいれてくれた。


初めて会った時な強引な感じではなく、優しく手を引っ張った。


そして私をその場にあった椅子に座らせた。



「今日はオレ一人だから…」


先輩はそう言って私を見た。


「…すみません…一回しか会ったことないのに…迷惑ですよね」

私が下を向きながら言うと、先輩は笑って、


「嬉しいよ。何があったかは知らないけど頼って来てくれたんだよね?」


私は先輩の顔を見た。
まだ出会ってそれほど経ってないのに先輩といると安心感に包まれていた。


「私も…分かりません…なんでこんな気持ちになっているのかも…なにがなんだか…」


そう言うと、さっきの光景が蘇った。


鼻の奥がツーンとした。


「分からないんです…もう…」


そう言うと私の目から涙がポロポロと落ちた。


なんで自分が泣いているのか分からず、戸惑って泣いているのか。

さっきの光景を見て泣いているのか。


分からない…



「…オレも分からないけど…そうやって泣かれると困るなぁ」


そう言って頭をかくと、先輩は私を抱きしめた。



「えっ…」


私はビックリしながらも先輩の温かさに安心していた。


「ゴメン…」


…どうして謝るの?


私は目をそっと閉じた。



その時…