その時…


私の頬に雨が落ちた。


そして、ポタポタと雨が降り出した。


灰色のコンクリートが黒に染まっていった。



私はまた学校に入ろうとした時、


田村君の声が聞こえた。


声のした方を見ると…


校門の前に田村君と…一人の女の子がいた。


その女の子は違う学校の制服を着ていた。


声を掛けようかと思った、その時だった…


女の子が田村君を抱きしめた。


私の身体は動かなくなった。


雨が容赦なく打ち付ける。


…どういこと…?


田村君は淋しそうな顔をしていた。


ねぇ…どういうこと…?


そして田村君は女の子の背中に手を触れようとしたとき、田村君は私に気付いた。


ビックリしていた。
私を見つめると手をその子から離した。


「…深田…」


小さく田村君がそう言ったのを気付いた。


女の子も私に気付き、私と田村君を交互に見ていた。


そして怪訝そうに私を見ていた。