保健室に行くと田村君はいなかった。


かわりに保健室の先生がいた。


「もしかして深田さん?さっきまで3人待ってる子がいたんだけど、たった今帰ったよ」


先生が私を見るなり言った。


「そ、そうですか…分かりました。ありがとうございます」

私は礼をして保健室を出た。


靴箱から靴をとろうとしたとき…


「おい、いつまで待たせるんだよ。ばか」


「えっ…」


後ろを振り向くと、そこには田村君がいた。


「ばかって…なによ…」


私は靴を履いた。


外に出ると門の所には香織と岡田君がいた。


「なんか知らないけど、あいつらオレだけ靴箱で待っとけ!ってうるさいんだよ…」


「そう…」


田村君…私の気持ちに気付いてないんだ…


そう思ったら、なんだか普通でいられる気がした。


「ていうかさぁ、なんで私にだけ態度違うの?」


そう言うと田村君は少し困った顔をして、


「違う…かな?」


そう言うと田村君も玄関を出た。


「違うよ!ばかとか言うし…」


「はぁ?お前だって言ったじゃん…病人のオレにばかって…」


「だってばかじゃん!普通風邪ひいてて体育するなんて…ばかじゃん」


そう言うと田村君は私の額を軽く叩いた。


「ばーか」


そう言うと、走って二人の側に行った。


香織が腕組みしながら、私と田村君を見て言った。


「あんた達さぁ、ケンカしてたり仲良いね〜付き合ってるみたい」


それを聞いてる岡田君はニヤニヤしていた。


「ちょっと…ばか!変なこと言わないでよ…」


私は顔を真っ赤にしながら下を向いた。