放課後になっても田村君は保健室から戻って来なかった。


教室には私と香織。そして岡田君もいた。


「まだ悪いんじゃないの?誰か見に行ったほうが…」


香織が私を見ながら言った。


顔が赤くなるのを感じる。


「オレ…保健室の臭い嫌いなんだよなぁ〜」


と言いながら私を見た。


「なんで私見るの?」


「前々から言おうと思ってたけど…深田さぁ…田村のこと好きだろ?」


………なんで……


「なんで分かるの?」


そう言ったのは香織のほうだった。


「なんとなく…」


私はまた顔が赤くなった…


「まぁ…味方が二人もいると思えば強いでしょ?しかも一人は結衣の親友で、もう一人は田村君の友達だし!…まぁ役に立つかは分からないけど…」


と言うと岡田君を見た。


「役に立つよっ!まぁ!保健室に行ってこい!」


私は頷くと教室を出た。



改めて田村君に会うのが恥ずかしくなる…


きっと、さっきので私の気持ち分かっちゃったかもしれないし…


そんなことを思いながら私は保健室へと向かった。



その時…


「えっ〜と…そこの人…ちょっといいかな?」