教室に入るとみんながざわついていた。


「あっ!結衣おはよ」

そう言って私の側に来たのは青山香織。


「おはよ〜。ねぇ、なんかあったの?」


「それがウワサなんだけど転校生が来るんじゃないかって」


「転校生?この時期に…?」


私はあまり気にもとめず席へとついた。



それと同時に先生が教室に入ってきた。

みんなが席につく。


「えー。みんなも知ってるみたいに今日は転校生が来ています。何かあったら助けてやってくれ」


そう言い終えるとドアが開いた。



みんながドアに注目した。

そこに入って来たのは…男子だった。


教室はざわついた…
ほぼ女子が…


「カッコイイ!」


ほとんどこの言葉が飛び交っていた。


「結衣!!カッコイイね!」

私の前の席の香織が振り向いて言った。


「あれ…?結衣?」


私は固まってしまった…



彼の大きな目に私は動けなくなってしまった…


吸い込まれそうになった…


「あれれ…結衣、もしかして一目惚れ?」


私はその言葉に我に帰った。


「そ、そんなことあるわけないじゃん!」


「ふ〜ん」


香織はニヤニヤしながら前を向いた。


いつの間には自己紹介にはいっていた。


「田村隼人です。よろしくお願いします」


高くも低くもない不思議な声だった。


そして先生が空いてる席に促した。



田村君が私に近づいてくる。


「えっ…」


なんで……えっ…



田村君は私の隣の席に座った。


香織が低い声で

「よかったね」


「へっ…」


みんなが田村君を見ていた。

私もゆっくりと隣を見た。