放課後になると傘を広げ帰って行く人でごった返していた。


私と香織はそれを避けるため少し教室に残っていた。


私は窓から傘をさして帰る人達を見ていた。


人もまばらになり、私達は下に行くことにした。


その時見たことのある背中が傘もささずに走っていた。


「田村君…」


私はそれを見ていると、後ろからピンクの傘をさした女の子が田村君の側に駆け寄った。


そして…


田村君はそのピンクの傘に入ると二人は仲良く帰って行った…




私はどうすることもなく、ただピンクの傘が見えなくなるまで見ていた…


「結衣?どうしたの?」


香織が心配そうに私を見た。


「ううん。なんでもない…行こう…」


そう言うと私は荷物を持って靴箱に向かった…