「なななっ…何でも!!…な!?」
はぁ…これだから颯天は。
好きな人の前だと話したいけど話せない情けなさ。
俺はいつも呆れていた。
「何でもねーよ?」
俺が普通に言葉を返す。
「そっか!!…てか何で颯天くんさぁ、そんなに顔赤いの?」
もう顔に出ている颯天。
「赤くなっ…」
「こいつ、体調悪いんだって。だから保健室いくか話してたとこ」
「そうだったんだ!!お大事にね」
「…っ(照)」
佐伯が去った後すぐに
「なーに、赤くなってんだよ」
俺が話しかける。
「なってねーよ!!」
いやいや…これでなってねーっつったらとんだバカもんだぜ。
「なってっから」
「うぅ…だって〜、可愛すぎ♪」
…わかる。
その気持ち。
佐伯って可愛いよな。
…と言いたくても言えずに。
「ま、頑張れ」
棒読みで返事する俺。