キーンコーンカーンコーン…

「で、何?」

放課後の図書室には、俺と仲原がいた。2人だけ。

「えっと…私の好きな人…知りたいかなと思って」

「いや、別に。知らなくていい」

「そっかぁ…私の好きな人、実は頼我くんなんだよね」

「おう。知ってる」

「…」
「…」

沈黙する空気。
そして、仲原の目から涙が。

「何で泣くの?」

「頼我くんの、せい」

「悪い」
もう俺がいても何もできないと感じたから、その場から去ろうとした。でもその瞬間、


…ギュッ…


「えっ…」
後ろから抱きつかれた。

「私、わかってる。頼我くんに想いは届かないってわかってる。頼我くんは未玲が好きなんだよね?見てればわかるよ…」


は?
どっから佐伯が出てくんだよ。

「何で佐伯?」

「いつも話してるから」


それだけかよ…。