「・・・夏木・・・いる・・・?」

 夏木、なんで泣いたんだろ・・・。俺、結構怒ったからかな。すっげー嫌われたかな。なんで俺って、女の子泣かすんだろ。あぁ!俺ってサイテーな奴だ!

「なつ―――」

 保健室の奥のベット。そこに夏木は寝ていた。頬には泣いた痕。泣きつかれたのかな?

「麗いるかぁー?」

 誰だ!?声的に男?って、こっちに近づいてる??

「麗?」

 俺は反射的に隣のベットのところに行っていた。保健室のカーテンは、人がいてもいなくてもつねに閉まってるから、見つからないハズだと思う。

「寝てんの?」

 少しだけカーテンを開ける。って、アレって3年の里音って不良!?何でここに!?そしてなんで夏木に触れている!

「ちょっと熱あるな・・・」

 えっ・・・熱???ってホントになんだあの里音って不良は・・・。

「おーい、麗、起きろぉー」

 何やってんだぁぁぁ!寝てるのに無理やり起こすなよ!

「ぅん・・・?」
「おい、麗」
「ん?里音・・・?」

 あれ?なんか仲良さそう!俺の時と態度違うよね!あれ絶対違うよね!

「・・・で・・・ら・・・い?」
「・・・ぃ・・・」

 何言ってるのか聞こえない!あの不良なんか夏木に優しいよね!?