確かに優はあんまり住所登録に友達を入れない。

 ていうか携帯買ったの最近だし。

 以前はパソコンのメールだったしね。

「わかった!すぐ行く!入り口で待っててもらっていいか?」

『うん!早くね!』

 俺は昼飯を食わずに髪の毛もセットせずに家を飛び出した。

 なんで言わねぇんだよ、優!

 誤魔化さなくてもいいんだよ。
 我慢するんじゃねぇよ。

 なんでお前は我慢しちゃうんだよ。

 和沙がいない寂しさもひとりで抱え込んで。

 
 俺はこれまで走ったことのないくらいのスピードで市立病院へ走った。

「はぁ…ここだよな…」

「裕紀!」